社会イノベーションを志向する企業人、社会企業家、研究者等の集まり、「そらキッチン(Social Labs KITCHEN)」では、社会イノベーションの種を発見しブラッシュアップするイベントを開催します。
■テーマ: 福祉器具の「C 2 B」ビジネスを創ろう
■日時: 9月6日(金)19時-21時
■会場: 国際大学GLOCOMホール
■目標:
福祉器具の販売から、その福祉器具の購入者がビジネスを起こすまでのストーリーを一緒に作りませんか?
■発表者: 神村 浩平氏
日系半導体企業の経理部でキャリアをスタート。2年間の実務経験から英語の重要さを実感し単身渡米。アメリカでは奨学生として準学士号を取得。並行して車いすバスケットボールの選手として全米選手権2位を経験。帰国後、仲間と海外福祉器具の輸入販売事業を立ち上げを行い、その後外資系証券会社に勤務。現在は2013年7月から二子玉川でC2B(お客さんとして商品・サービスを購入した人がそれを通じて価値を生み出すビジネス)の立ち上げを行っている。
■参加費:
1,000円 (若干のドリンク等をご用意します)
■申込み:
Facebookイベントページからお申込みください。
Facebookアカウントをお持ちで無い方は、下記までお名前とご所属をお知らせください。
shoji[at]glocom.ac.jp 庄司昌彦(国際大学GLCOOM 主任研究員)
2013年9月2日月曜日
2013年8月31日土曜日
【デザインで創る】~安心して認知症と暮らせる社会~
GLOCOM社会イノベーションラボとして、ブリティッシュ・カウンシル主催の「【デザインで創る】~安心して認知症と暮らせる社会~」というイベントの開催に協力しました。
英国デザインカウンシルのカミラ・ブキャナンさんは、「社会に変革をもたらしたり社会問題を解決するプロセスとしてデザインを捉えている」と述べました。これがデザインシンキングというものです。
ちなみに日本の経済産業のページではこう説明されています。
デザインは、直接かつ分かりやすく視覚に訴えるものであり、コンセプト、技術、品質、サービス等、ブランド確立に必要な他の要素を簡潔に表現するための重要な手段であるため、特に国際競争が激しい分野や技術的に成熟し製品の差別化が困難な分野においては、デザインを戦略的に活用することが求められています。
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/human-design/policy1.html
カミラさんが紹介したLiving well with dimentiaの成果は、食べ物の「香り」を使って栄養不足になりがちな認知症高齢者の食欲を刺激する製品や、認知症高齢者とともに生活する犬など、視覚ということにまったくこだわっていません。五感を駆使して課題を解決するための物を作り出していく姿勢が最も記憶に残りました。
もうひとり話題提供をした徳田雄人さんは、認知症患者が予備軍を含めると900万人規模になってきていることを指摘し、日常から隔離するなどして対処する専門的課題から、普通の生活の中で付き合っていく社会的課題に変わってきたことを指摘しました。社会生活の中に認知症が溶け込んでいくということは、私たちの生活を支えているさまざまな商品やサービスが認知症の方々に対処する必要があるわけで、ここに新しいビジネスやサービスを作り出すフロンティアがあると思います。
そして、写真にあるように、各自の気付きや今後行動したいことを木の葉と蝶々の形の紙に書いて木に貼っていくというアウトプットがとても美しかったです。これはデザインカウンシルが考えたのではなく、 秋元さんや湯浅さんなどブリティッシュ・カウンシルによるもの。素敵な時間でした。
2013年1月7日月曜日
レポート:「浦安・元町におけるフィールドワーク」プラカデミアサロン2012 社会イノベーション・フューチャーセンター第6回セッション
12月19日、プラカデミアサロン第6回セッションとして、千葉県浦安市を訪問してのワークショップが開催されました。
今回は、第4回セッションで確認した2つの方向性のうち、ヒューマンケアの領域から社会イノベーションの対象となるテーマを導き出すことが、目的です。
訪問先である浦安市は、本プログラムおよびその母体であるそらキッチン・メンバーの小黒信也氏が、浦安ハーブプロジェクトで活動している地域です。同プロジェクトに関しては、第5回そらキッチンナイトでもその取り組みが紹介されました。
当日は昼過ぎから、小黒氏の案内で浦安駅周辺を散策し、地理・景観・歴史など、地域の雰囲気と特徴をまずは把握することにしました。そして約2時間の散策を終えた後に、浦安市市民活動センター2階会議室にて、フィールドワークの振り返りを行いました。
埋め立てが進む前に栄えていた浦安の元町と呼ばれる地域を実際に歩いてみると、今は目立たなくなっているものの、漁師街として賑わっていた頃の痕跡にあちこちで出会いました。
特に、今は細い路地に見えるフラワー通り商店街が、当時の浦安のメインストリートであり、商家や財をなした漁師が粋な造作の家を建てたり、庶民が映画や寄席を楽しむために集まってきたりする文化拠点であったことがよく分かったのは収穫でした。
今後はこうした地域の資産を、浦安ハーブプロジェクトで進めている高齢者の居場所役割づくりや、新しい地縁作りといった取組みにどう結びつけていくのか、またそこに各自の専門性や本業をどう結びつけていくのか、知恵を絞っていくことになります。
次回は、第5回と第6回のセッション(フィールドワーク)での気づきを活かして、社会イノベーション・プランのブラッシュアップを行います。
レポート:「鳴子温泉郷におけるフィールドワーク」プラカデミアサロン2012 社会イノベーション・フューチャーセンター第5回セッション
12月6日、プラカデミアサロン第5回セッションとして、宮城県の鳴子温泉郷を訪問してのフィールドワークが開催されました。
今回は、第4回セッションで確認した2つの方向性のうち、非都市部の地域社会の現状と課題から社会イノベーションの対象となるテーマを導き出すことが、目的です。
当初訪問先としていた同県気仙沼市から変更になり、訪問前のリサーチの時間が十分ではなかったものの、多くの参加メンバーが分担で鳴子温泉郷について下調べをして、ワークショップに臨みました。
当日は午前中から昼過ぎにかけて、首都圏から現地に移住して活動している鈴木氏に主にガイドをしていただき、こけし工人(柿澤こけし店 柿沢是伸氏)、農産加工者(北浦つや子氏)、旅館経営者(大正館社長 菊池英文氏)という異なる業種の3名にお話しを伺ったり、実際に地域の温泉を訪れて泉質を体感しました。
3名から伺ったお話の詳細については割愛しますが、いずれの方も、それぞれの産業が鳴子温泉郷という地域で「生活」していくことと密接に関わっていることを、その歴史を踏まえつつ語ってくださったことが、印象的でした。
今回の訪問ご協力いただいたGEOCのレポートもご参照ください:
温泉郷をまわった後は、旅館大沼の別館にて郷土料理(はっと汁など)を昼食としていただき、湯守の大沼伸治氏を交えたディスカッションを行いました。
大沼氏は、旅館の経営者であるとともに地域振興に関わる数々の活動に関わってきていて、その経験も踏まえながら、鳴子という地域に携わるさまざまなの立場の人たちのプラットフォームの形成について語っていただきました。
ディスカッションのポイントとしては、例えば、地域特有の産業と社会の大きな産業構造の関係があります。鳴子はお湯の力で成り立っている地域ですが、そのお湯の力を活かした湯治が農業という産業に携わる人のライフスタイルと密接であるがゆえに、社会における農業の趨勢が、この地域に大きく影響を与えます。
2010年代における鳴子地域内外の経済・産業・労働・生活にどのように向き合い、地域のさまざまな生業とそこに携わる人たちの暮らしを構想し、実践していけるか。今回は課題の一端を垣間見ただけですが、Step4.アウトプット・チェックアウトのときには、訪問で各メンバーが得られた示唆を集結し、このサロン独自の提案ができればと思っています。
次回は、福祉・ヘルスケアの現場におけるワークショップを開催します。
(寺地幹人・庄司昌彦)
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