2013年8月31日土曜日

【デザインで創る】~安心して認知症と暮らせる社会~

 
GLOCOM社会イノベーションラボとして、ブリティッシュ・カウンシル主催の「【デザインで創る】~安心して認知症と暮らせる社会~」というイベントの開催に協力しました。

英国デザインカウンシルのカミラ・ブキャナンさんは、「社会に変革をもたらしたり社会問題を解決するプロセスとしてデザインを捉えている」と述べました。これがデザインシンキングというものです。

ちなみに日本の経済産業のページではこう説明されています。
デザインは、直接かつ分かりやすく視覚に訴えるものであり、コンセプト、技術、品質、サービス等、ブランド確立に必要な他の要素を簡潔に表現するための重要な手段であるため、特に国際競争が激しい分野や技術的に成熟し製品の差別化が困難な分野においては、デザインを戦略的に活用することが求められています。
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/human-design/policy1.html

カミラさんが紹介したLiving well with dimentiaの成果は、食べ物の「香り」を使って栄養不足になりがちな認知症高齢者の食欲を刺激する製品や、認知症高齢者とともに生活する犬など、視覚ということにまったくこだわっていません。五感を駆使して課題を解決するための物を作り出していく姿勢が最も記憶に残りました。

もうひとり話題提供をした徳田雄人さんは、認知症患者が予備軍を含めると900万人規模になってきていることを指摘し、日常から隔離するなどして対処する専門的課題から、普通の生活の中で付き合っていく社会的課題に変わってきたことを指摘しました。社会生活の中に認知症が溶け込んでいくということは、私たちの生活を支えているさまざまな商品やサービスが認知症の方々に対処する必要があるわけで、ここに新しいビジネスやサービスを作り出すフロンティアがあると思います。

そして、写真にあるように、各自の気付きや今後行動したいことを木の葉と蝶々の形の紙に書いて木に貼っていくというアウトプットがとても美しかったです。これはデザインカウンシルが考えたのではなく、 秋元さんや湯浅さんなどブリティッシュ・カウンシルによるもの。素敵な時間でした。