2013年1月7日月曜日

レポート:「浦安・元町におけるフィールドワーク」プラカデミアサロン2012 社会イノベーション・フューチャーセンター第6回セッション


 

 


12月19日、プラカデミアサロン第6回セッションとして、千葉県浦安市を訪問してのワークショップが開催されました。

今回は、第4回セッションで確認した2つの方向性のうち、ヒューマンケアの領域から社会イノベーションの対象となるテーマを導き出すことが、目的です。

訪問先である浦安市は、本プログラムおよびその母体であるそらキッチン・メンバーの小黒信也氏が、浦安ハーブプロジェクトで活動している地域です。同プロジェクトに関しては、第5回そらキッチンナイトでもその取り組みが紹介されました。

当日は昼過ぎから、小黒氏の案内で浦安駅周辺を散策し、地理・景観・歴史など、地域の雰囲気と特徴をまずは把握することにしました。そして約2時間の散策を終えた後に、浦安市市民活動センター2階会議室にて、フィールドワークの振り返りを行いました。

埋め立てが進む前に栄えていた浦安の元町と呼ばれる地域を実際に歩いてみると、今は目立たなくなっているものの、漁師街として賑わっていた頃の痕跡にあちこちで出会いました。

特に、今は細い路地に見えるフラワー通り商店街が、当時の浦安のメインストリートであり、商家や財をなした漁師が粋な造作の家を建てたり、庶民が映画や寄席を楽しむために集まってきたりする文化拠点であったことがよく分かったのは収穫でした。

今後はこうした地域の資産を、浦安ハーブプロジェクトで進めている高齢者の居場所役割づくりや、新しい地縁作りといった取組みにどう結びつけていくのか、またそこに各自の専門性や本業をどう結びつけていくのか、知恵を絞っていくことになります。

次回は、第5回と第6回のセッション(フィールドワーク)での気づきを活かして、社会イノベーション・プランのブラッシュアップを行います。


(寺地幹人・庄司昌彦)

レポート:「鳴子温泉郷におけるフィールドワーク」プラカデミアサロン2012 社会イノベーション・フューチャーセンター第5回セッション



12月6日、プラカデミアサロン第5回セッションとして、宮城県の鳴子温泉郷を訪問してのフィールドワークが開催されました。

今回は、第4回セッションで確認した2つの方向性のうち、非都市部の地域社会の現状と課題から社会イノベーションの対象となるテーマを導き出すことが、目的です。

当初訪問先としていた同県気仙沼市から変更になり、訪問前のリサーチの時間が十分ではなかったものの、多くの参加メンバーが分担で鳴子温泉郷について下調べをして、ワークショップに臨みました。

当日は午前中から昼過ぎにかけて、首都圏から現地に移住して活動している鈴木氏に主にガイドをしていただき、こけし工人(柿澤こけし店 柿沢是伸氏)、農産加工者(北浦つや子氏)、旅館経営者(大正館社長 菊池英文氏)という異なる業種の3名にお話しを伺ったり、実際に地域の温泉を訪れて泉質を体感しました。

3名から伺ったお話の詳細については割愛しますが、いずれの方も、それぞれの産業が鳴子温泉郷という地域で「生活」していくことと密接に関わっていることを、その歴史を踏まえつつ語ってくださったことが、印象的でした。
今回の訪問ご協力いただいたGEOCのレポートもご参照ください:
温泉郷をまわった後は、旅館大沼の別館にて郷土料理(はっと汁など)を昼食としていただき、湯守の大沼伸治氏を交えたディスカッションを行いました。

大沼氏は、旅館の経営者であるとともに地域振興に関わる数々の活動に関わってきていて、その経験も踏まえながら、鳴子という地域に携わるさまざまなの立場の人たちのプラットフォームの形成について語っていただきました。

ディスカッションのポイントとしては、例えば、地域特有の産業と社会の大きな産業構造の関係があります。鳴子はお湯の力で成り立っている地域ですが、そのお湯の力を活かした湯治が農業という産業に携わる人のライフスタイルと密接であるがゆえに、社会における農業の趨勢が、この地域に大きく影響を与えます。

2010年代における鳴子地域内外の経済・産業・労働・生活にどのように向き合い、地域のさまざまな生業とそこに携わる人たちの暮らしを構想し、実践していけるか。今回は課題の一端を垣間見ただけですが、Step4.アウトプット・チェックアウトのときには、訪問で各メンバーが得られた示唆を集結し、このサロン独自の提案ができればと思っています。

次回は、福祉・ヘルスケアの現場におけるワークショップを開催します。


(寺地幹人・庄司昌彦)