2012年11月5日月曜日

レポート:「東北地方の復興支援活動を社会イノベーションへつなげるには」プラカデミアサロン2012 社会イノベーション・フューチャーセンター第3回セッション



10月31日、二子玉川のカタリストBAにてプラカデミアサロン第3回セッションが開催されました。

今回は、全8回で行われる「社会イノベーション・フューチャーセンター」の第2ステップ「ダイアログ」(2回目)にあたります。このステップは、「ゲストとの対話から発想を得る」ことを目的にしています。

当日は、東日本大震災の被害を受けた東北地方のプロジェクトを支援している「一般社団法人環境パートナーシップ会議」(http://www.epc.or.jp/)の平田裕之氏をお招きし、参加者自身の仕事・プロジェクト等を活かしてどのように東北地方と関わっていけるかについて考えました。

セッションの始めは平田氏より、東北復興活動の現状、環境パートナーシップ会議が具体的に取り組んでいるプロジェクトの紹介、復興支援活動が抱える課題・今後の構想などについて、お話しいただきました。復興支援期に移行した東北地方において、既存の枠組みとの関係で孤立する起業家が生まれてしまうこと、現場の合意形成が困難で活動がスケールしづらいこと、多様な現場ニーズに中間支援側が必ずしも対応しきれないことなど、実際の支援活動に関わる問題を認識しました。

講演を受けたディスカッションでは、復興プロジェクト推進におけるキーパーソンの重要性、外部から受ける支援と現場の自発性/自立性をバランスさせること、長期ビジョンと超短期の対応だけでなく中期的な取り組みも重要となることなど、今後の復興支援を考える上で重要な論点が議論された。また、「現場の多様な課題に対して、現場・支援団体・第三者を含めた多様なつながりを活用して問題解決にあたること」および「東北で現実に起こっている課題を自分たちの未来と関連付けて捉えること」の必要性も確認しました。

休憩を挟んだ後、参加者は4グループに分かれ、それぞれのグループにおいて「自分の仕事・プロジェクトなどとの関わりにおいて、東北地方と関わる際にどのようなことができるか」という点について意見交換を実施しました。各参加者は、自身が携わっている本業業務をどう東北と関連付けるか、自身の持つスキルをどう活かすか、さらには別の参加者が持ち寄ったアイデアと自身の活動をどう組み合わせて東北と関連付けられるかなどを議論しました。

今回はそれらアイデアを全体で集めるところでセッションは終了し、それをもとにしたグループ分けは次回に持ち越しとなりました。「環境パートナーシップ会議の活動と結び付けられる可能性を持ったアイデアも複数あった」といったコメントや、「今後予定されている東北でのワークショップを前に、より深く東北の現状を理解する機会を設けたい」といった意見も交わされました。具体的に東北での活動を考える一つのきっかけとなる、非常に有意義な3時間のセッションとなりました。


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次回(11月7日)は、第3ステップ「プロトタイピング」へと移行し、具体的な社会イノベーションをデザインしていくため、参加者の関心に基づき、福祉・ケアのイノベーションをテーマとするチームと、東北地方の地域ビジネスをテーマとするチーム編成し、具体的なテーマを選定していきます。

みなさんも、さまざまなバックグラウンドをもつ仲間と、社会的課題について議論し、解決に向けた一歩を踏み出してみませんか?

プラカデミアサロンへの申し込み方法については、下記URLをご覧ください。
http://www.glocom.ac.jp/2012/10/2012.html


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